雨模様

その輝いていた星が一つ、二つとまた雲に隠れていく。ふと寒さを感じて屋内に入る。眼下には初日、ここを出発した時に利用した広場が見える。あの日は地下の連絡通路を3往復くらいしたっけ。 もう夜も遅いので夕飯を早く食べて帰ろう。と、皆で入った店は以前家族で来た時に食べたことのある店だった。なんであんなに店の数が多くて、数回しか来たことのない場所で被ってしまうかなあと思いつつ、わいわい楽しむ。ちなみに締めの文はこの時に思いついた。帰りはむぎむぎしている人と一緒。バスの中で日記に『無事に終わってよかった 楽しかったよ!』と書いた。字が汚い。ちなみに日記三冊目の花言葉ジンチョウゲ

~fin~

 

おまけ:星が一つ飛んでいった。そして星がもう一つ飛んでいった。最後に鶴が飛んでいった。

 

 

想像上の別府は美しいところだった。金閣寺には適わないけれど、大昔に行った思い出、最早思い出にすら無く語り継がれているものだけれど、その別府を想像していた。当日は雨だった。金閣寺と同じようにがっかりした。そしてなぜだか、その美しさは帰ってきてから一層強くなった。まあ放火しようと思ってもすでに燃えている場所な訳だが。

 

同じ現象がもう一カ所起きた。所謂昭和の町。豊後高田。事前に頭の中をめぐらせている妄想は時に現実を凌駕してしまう。行先提案者である以上責任を取らなければならないのであるが、実は思っていたほど広くも無かったし賑わってもいなかった。商店街を一周して、なるほどこんなところか、と。昼食は美味しかった。すぐにバスへ戻り、寝る。それが、である。帰京してから再びその魅力にとりつかれる、今でも。未だに将来やりたいことが決まっておらず、有機化学楽しそう、経済も良いなあ、別に司法試験受けても良いかなあ、なんて振れ幅が大きい人間だが、とりあえず多少の興味があって都市の授業を取った自分を思うと恐らくこの時の高2の体験が道標となってくれているのかもしれない。

 

忙しい日々、やらなくてはならないことに押しつぶされて余裕がなくなる。突然暇になった時、ぽかりと空いた感じがして過去の思い出に浸る。世間ではこれを懐古って言うらしいですね。

 

毎日家から出られなくて、ただ外の世界を想像と思い出だけで語り、旅日記だなんてご立派な名前をつけて、楽しい人生ですね。けれどもそのうちこのページが役に立つ日が来るのでしょう。 だって言うでしょ、止まない雨は無いってね。

 

2020/5/21 mon

 

~day0~

1.知床 2.ケープタウン 3.ドバイ 4.アンカレッジ 5.難波 6デュッセルドルフ

サイコロを振った。3がでた。

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EK319便を予約した。最寄り駅からは成田空港行き直行高速バスが出ている。次のバスは50分後。急いで支度をする。時刻は2020年2月30日午後14時。